第128回 シックスセンス

最近では色々なサブスクが一般化し、手軽に聴きたい音楽が聴け、観たい映画が好きな時間に観られるようになりました。

我が家では時折、時間があれば、息子(高2と小3)と娘(中1)と一緒に、突然思いついたように映画鑑賞会が始まることがあります。年齢の幅が広いので好みもバラバラで、次男が主導権を握って作品を選べば、「アニメ系かヤンキー系映画(何故かヤンキー好き)」、娘が選べば「ホラー系多め」、長男が選べば「大ヒットした話題作」となるため、何本か僕の方で公平になるようピックアップして、どんな映画か説明してから皆で相談をして作品を決めていきます。

つい先日の夜も末っ子が寝てからそんな隙間時間ができたので、長男と娘と何か映画を観ようということになり、数作の候補の中からの「桐島、部活やめるってよ」を観ることになりました。朝井リョウ原作の作品で本は読んでいましたので、内容も知っていましたし、実際本がすごく面白かったので機会があったら観たいなと気になっていた映画でした。

映画の内容については批評したい訳ではないのでここでは述べませんが、作品の中で、主人公が偶然映画館で出会った同じクラスの女の子に「タランティーノの映画で何が好き?」と聞く台詞がありました。

その言葉が妙に頭に残り、映画を見終わった後もタランティーノの映画について頭をめぐらせていました。パルプフィクション以降タランティーノ映画は公開される度に話題になって大ヒットしていたので、特に記憶に残っているのかもしれませんが「パルプフィクションはあの時だったなぁ」「キル・ビルは誰と観にいったなぁ」と、当時のことが一瞬で思い出されてきました。

思い出は「物」だけでなく、当たり前に「五感」にも残されているということ。映画だったり、音楽だったり、スポーツだったり、日常の中の自分しか知らないような景色であったり、そういった自分自身が見て・聞いて・食べて・嗅いて・触れて「五感」に感じてきた経験の積み重ねが、ふとしたことがきっかけで当時の風景を思い出させてくれる瞬間があります。当然ですが今まで観たり聴いたりしたこと全てに対して思い出す訳でもないですし、インパクトのある記憶だから思い出す訳でもないです。でも何故かほんの些細な日常的なことが思い出されるからおもしろいです。

トムとジェリーを観てテレビで放映された映画を録画して観ていたVHSのデッキ、幽玄道士を観てキョンシーごっこでお札を額に張り合ったりした遊び、昔のブルース・リーやジャッキーチェンの映画を観終わったら必ずモチベーション上がって筋トレしていたこと、USJのアトラクションが楽しくて、その後、気になってバックドラフトの映画を観たこと、友達に借りたタイタニックを観ていた一人暮らしの狭い部屋、ダイハードを観て初めて東京に遊び行った時のこと、ミザリーを観てクライマックスで皆がビックリして椅子から跳びはねていた映画館での光景、ロッキーを観たら結局また体を鍛えようとしていたこと、…

誰でもほんの些細なことでも、色々なとこに色々なスイッチがあるのだと思います。日常を慌ただしく過ごしていると、見逃しがちになりますが、その些細なスイッチを感じられるよう丁寧に日常を過ごしていければいいなと思います。それが今の、これからの自分を創る「感性」に繋がっていくのだと思います。そしてこの「感性」こそが第六感ではないのだろうか…

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