第19話 伝票印刷と意外と知らないその仕組みとは

こんにちは!営業部新人のYです。私がこのブログを書くのも今回で4回目となります。「もうそろそろ印刷マスターなのでは?」という声もあるかもしれませんが、まだまだ、まだまだ、勉強の日々でございます。もちろん印刷マスターを目指しこれからも突き進んでいります!

余談はさておき、噂の超大人気ブログ「営業部マンが語る!印刷物のちょっと深い~話」第19話を始めさせていただきます。

今回のテーマは「伝票印刷と意外と知らないその仕組みとは」についてです。普段私たちが会社やお店などでよく目にする伝票や領収証についてお話しさせていただきます。

伝票は銀行・会社・商店などで、金銭・物品の出納や取引の内容などを簡単に記し、関係者の間の連絡や責任を明らかにするための紙で取引をするうえで必要となる印刷物です。
この伝票が商品になるまでに、どういった印刷や加工を経て私たちの手元に届くかを説明していこうと思います。

伝票といっても内容様々ですが(勘定伝票、入出金伝票、会計伝票、納品書伝票etc.)
大きく分けて伝票の仕様は2種類に分類されます。

  1. 単式伝票(よく単票と呼ばれてますね)
    単式伝票は1枚ずつ単独に記入して使用する伝票のことで、1枚ずつ同一の様式で印刷され、下の紙には複写されない仕様となっています。
    様々な場面で使用されますが身近でイメージしやすいもので言えば飲食店の会計伝票など複写の必要がないものに用いられています。
  2. 複写伝票
    複写伝票は記入した内容をそのまま複写できる伝票のことで、文字を記入すると下の用紙に転記される仕組みで、同じ内容の伝票を複数枚作成できます。
    こちらも使用されるケースはたくさんあり、金銭的なトラブルが発生した場合の解決策や承認した際の記録など複写が必要な場合に複写伝票が活用されます。
    身近なものだと配送業者から荷物を受け取る時にサインする配送伝票などがイメージしやすいのではないでしょうか?私の汚い字が複写されていると考えると次回からはもう少し自分の名前ぐらいは綺麗に書こう…。とふと思った営業部新人Yである。

ここから少し複写伝票についてツッコミを入れていこうと思います。

複写伝票の仕組み

「何故写る?」という疑問。一般常識かもしれませんが私の場合、印刷業で働くまで気にしたこともなく、「そういった写る紙なんだな」程度の認識でした。
まさにそういった写る紙なのですがね(^^;)

筆圧により下の紙に複写する仕組みは、カーボン紙、ノーカーボン紙、ハイコピー紙の計3種類があります。

一昔前までは事務作業には一般に黒色または青色で文字を複写するのにカーボン紙が用いられていました。
カーボン紙は、片面に黒などの加工がされた紙で、1枚目に書かれた筆圧によりカーボンの色が2枚目に複写されるという仕組みですが、書くたびにカーボン紙をはさみ直す必要があり、その改善として登場したのが、裏カーボンです。
裏カーボンは、用紙の裏面にカーボンを印刷しており、その都度カーボン紙は外さなくても良いといった仕組みでした。その後、ノーカーボン紙が開発されて現在ではノーカーボン紙が主流になりました。ノーカーボン紙は感圧紙とも呼ばれております。※「以下より感圧紙と称する」
※ハイコピー紙については本文後半パート減感印刷で紹介します。

複写の仕組みですが感圧紙には「上用紙」「中用紙」「下用紙」の3種類の紙が存在し、複写枚数によりそれぞれを使い分けます。それぞれの用紙には特殊な処理が施されています。
一般的に上用紙と中用紙、下用紙の3層から構成されており、上用紙と中用紙の裏にはそれぞれ発色剤が使用されています。この発色剤をマイクロカプセルといいます。
複写の仕組み1

マイクロカプセルは名前通り、カプセル状になっています。ボールペンで記入・インパクトプリンターで印字すると、圧力でカプセルが割れて下の紙に塗布されている顕色剤に反応して発色する構造です。カプセルは特殊な合成樹脂でできており、通常の圧力では破壊されにくく、筆圧や印字圧にのみ反応する仕組みとなります。
複写される色は青発色・黒発色などがありますが、私たちがよく目にする青が一番多く利用されています。
複写の仕組み2

感圧紙の厚さ・色

感圧紙の厚みについてもN40〜N160まで7段階の厚みがあり、一般的にN40がよく使われる厚みですが、領収証など一番下にN130などの厚い紙を使うなど用途によって厚さを使い分けたりもします。用紙の色に関しては白(W)・ピンク(P)・イエロー(Y)・ライトブルー(L)があります。何枚目かを一目で見分けるために色を変えて作成しています。

減感印刷

また伝票を作成するうえで複写させたくない部分がある場合、減感印刷という手法を使い、圧をかけても複写しない仕様にすることが可能です。
仕組みとしては感圧紙に無色の専用の減感インキを複写されたくない箇所に印刷します。そうすることで顕色剤が化学反応を起こさなくなり、減感インキが印刷された箇所のみ複写されなくなるという仕組みです。

先程、複写紙として挙げていたハイコピー紙ですが、こちらは白い紙の裏全面すべてに減感インキとはまた別の特殊インキが施されており、ハイコピー紙の場合は紙すべてが複写される仕組みとなっており、逆にハイコピー紙は減感印刷できないという特徴もあります。

こんな仕組みどうすれば考えつくのだろうか!!!感動と尊敬を通り越した先の感情が私を襲っています。と意味不明な感想は無視してもらって(^^;)
以前私が「そういった写る紙」というイメージしか持っていなかったその紙(感圧紙)は様々な処理が施されたうえで複写が可能になっているんだなぁ~と改めて私の心の伝票に複写されました。

と少し感圧紙について深堀りしたところなのですが、伝票の加工や印刷について話せていない部分はまだありますが、今回はこのへんで!!
全くいい感じ言葉で締めることはできませんでしたが、私は失礼いたします。
次回「営業マンが語る!印刷物のちょっと深い~話」20話 乞うご期待!!

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