先日京都同友会の東山支部で、父親である会長と一緒に事業承継の経営報告をしてきました。
2人で前に立つというのも中々こっぱずかしかったのですが、その場が会長のホームグラウンドの東山支部ということで、アットホームな反面、結構緊張しました。
昔からよく知っている人もいたり、会社でお世話になっている人がいたりと、これはしっかりしないと面目が立たないなと思い、思いっきり開き直ってやりました。
私は前で発表する時はレジメとシナリオを事前に練りねりするのですが、今回は会長からこんなことを話すからそこから上手く繋いでという振りだったので、自分自身の思ったことや、悩み、今後の方向性などを話すことにしました。
「事業承継」
このテーマは昨年の同友会の全国大会でも当青年部会から報告されたテーマでした。私の今回の報告は、1事業承継の始まり、2職場での立場、3同友会での学び、4後継者にとって会社とは、5代表者と後継者(親族ではなく対等の議論すべき相手)、6事業承継で一番大切なこと
という項目で報告を進めました。
会社という事業、もしくは代表を引き継ぐということ自体はそれほど難しくないのかもしれません。難しいのは、引き継いでからどうするのか、どうしたいのかを実行に移すことがとても大変な気がします。
一人で会社経営していればまだスムーズかもしれませんが、実行するには社員の皆さんが関わってきます。今までの会社のやり方から変化するのはとても困難なのかもしれませんが、それをしないと自分のビジョンに届かないと考えていれば、進むしか道はありません。そして社員にも前向きに取り組んでもらわなければ進めません。おっと、承継問題から離れてしまいましたね。
事業承継で一番大切なことは、やっぱりどれだけ先代社長と話をするかに尽きると思います。お金のこともありますが、話をしないと何も始まらないと思います。
そしてどれだけ意見をぶつけ、受け止められるかですね。私は幸運にも父親とは仲が良かったので、何なりと思ったことを話せますが、家族だからこそ人間関係の問題が大きいというのもよく聞きます。
私の友人に、会社に入って話をする間もなく父親に亡くなられて、急遽会社を引き継いだ方がいます。その人はもっと父親と会社の話をしたかったと涙を流しながら話されます。それを聞くと、承継問題の大きな部分で先代との確執という声を聞くのはとても悲しくなります。自分のやり方と先代のやり方が違うのは当然です。どちらかが合わせる必要もなく、また争うところでもありません。お互いが尊敬の意を持って意見交換をし、少しずつでも良い方向へいければいいのになと思います。
私自身1月に事業承継はしましたが、まだまだ承継途中の状況です。代表が変わるにあたり、私は数年前からいくつもの改革を行ってきました。会社の営業戦略、社内方針などは徐々に進められてはいますが、会社という幾人もの人が働く場、そして、人自身はそう簡単には変わりません。意識改革や団結力、こんな会社にしたいという思いの共有など、みんなが何のために仕事をし、幸せを追求するのかを共有するのは中々難しいものです。ただ私はいかんせん強烈にポジティブ思考(ネガティブな部分もありますが、ペルソナ効果で何とかします)なので、悩みはしますが、そこを改善して進んでいくのは面白いものです。
そして今現在、少しずつ変わってきていると感じる時があります。
自分で考える人が増えてきて、私自身がそれを見て感動することもあります。代表交代してガラッと意識改革を行おうと思っていたところもあったのですが、まあそんな簡単にはいかないですね。私が本当の会社の代表者になるにはまだ時間がかかりそうですが、何にも諦めずに未来ビジョンを追いかけていきたいと思います。