こんにちは!新人営業マンのUです!「営業マンが語る!印刷物のちょっと深い~話」第52回を始めていこうと思います。はたしていつまで新人と言い続けるのか。それは同期が言わなくなるまでです!笑
いつか新人と名乗らなくなったときも、新人の頃に感じた新鮮な驚きや素直に学ぶ姿勢を手放すことのない自分でいたいですね。
さて、今回のテーマは「混抄紙(こんしょうし)」です!
“混”は混ぜる、“抄”は紙をすくという意味があります。紙は主に木材パルプを使って作成するので、つまり混抄紙とは呼んで字の如く「紙の中に木材パルプ以外の異質な素材を混ぜ合わせた用紙のこと」を指します。このように書くとそのまんますぎてびっくりしますね。ざっくり言えば“何かを混ぜて作った紙”です。そうなりますと、気になってくるのは具体的に何を混ぜるのかというところですよね。
ここでポイントになってくるのは「廃材」を使用するという点です。なぜ廃材であるのか。その理由のひとつとして挙げられるものは「環境への配慮」です。
どういうことかと申しますと、廃材を混ぜてつくる(抄き込む、という言い方をします)ことによって、木材パルプ100%で製造された紙と比べて、使用する木材パルプの量を減らすことができるという考え方です。30%何かを抄き込んでつくった場合、使われる木材パルプの割合は70%になるからですね。
例として適当かはわかりませんが、ゆるく糖質制限をしている友人がお米に豆腐を混ぜて炒飯をつくっておりまして。彼にその理由についてインタビューしたところ、「混ぜた豆腐の分、お米の量を減らせるやん!」とのことでした。豆腐を愛する私としては「豆腐がめちゃくちゃ好きだから」ではない点に若干ショックを受けつつも、「何かを混ぜてつくる」という行為としては構造的に似通った部分があるのかもしれません(違ったらすみません笑)。
…さて、話を戻しまして、木材パルプはそれこそ読んで字の如く木を原料としているので、木材パルプの使用量が減るということは用意する木の量=伐採する木の量が減るということになり、それが資源の使用量の削減につながるということになるわけです。
ただ、抄き込む素材をわざわざ作成してしまうと、木材パルプの使用量を減らすことができたとしても抄き込むためにわざわざ別途素材を製造してしまうとちょっともったいないと思いませんか??そういうわけで、抄き込む素材を「いらなくなった材料」である「廃材」にするわけです。抄き込む素材は廃棄される冊子や間伐材、バナナの茎やバガス(サトウキビの搾りかす)あたりが有名ですね。
※当ページの過去投稿に「フードロスペーパー」や「バカスペーパー」の記事がございますので、気になった方はそちらもどうぞ!
「環境に配慮した紙として、廃材を抄き込んだ“混抄紙”というものがあるんだな」というところまでは掴んでいただけましたでしょうか。こういった紙を使用したポスターやパンフレット、あるいはパッケージを作成することで、SDGsへの取り組みとして企業ブランディングにつなげることもできますし、実際にそういった目的で活用しておられるお客様もいらっしゃいます。
さらにさらに!
抄き込む素材を用意されて(もちろんこれ以前は廃棄されていた廃材ですよ!)、オリジナル混抄紙の開発まで行われた企業様もいらっしゃるのです!
…と、ここまでお読みいただいた方の中には「うちで廃棄している“アレ”、使えないかな」と思った方、いらっしゃるんじゃないですか????
使用できるか否かにはいくつかの条件があり、正直なところ実際に開発を進めてみないとわからないこともたくさんあるのですが、抄き込むことができる廃材について、共通して必要となる条件は
①水分が入っていないもの②糖分が入っていないもの③繊維状のもの
です。
これまでの成功例ですと、洋服のは材やお茶の葉、もみ殻など。どれも上記3つの条件をクリアしていますよね。個人的には洋服のは材が使用可能であるというところが驚きでした。なんとなく食べ物関連の紙なのかなというイメージを持っていましたので。
つくづく、と言いますか、知らないことを知ることができた瞬間は新鮮な驚きを感じることができますよね…と、冒頭の伏線を華麗に回収したところで今回を閉じたいと思います!さて、次回はどんな深い~話でしょうか。更新をお楽しみに!