第50話 印刷物における点字について(後編)

営業部の“O”です。「営業マンが語る!印刷物のちょっと深い~話」第50回は、「点字印刷」についてお伝えさせていただきます。

前回第45話では、我々の身近なところで感じられる「点字」ということで、街を歩けば、歩道に“点字ブロック”が。紙幣にも「識別マーク」というものが施されていることをお伝えしました。

では、「点字印刷」にはどのような方法があるのでしょうか。

シルクスクリーン印刷による点字印刷 

透明なUVインキを立体的に盛り上げ印刷します。エンボス式の点字印刷と比べ、摩耗による汚れ、潰れが少なく、耐久性に優れています。クリアインクを使用するため、文字や図案の上に重ねて印刷しても視覚性は維持されます。
印刷直後に紫外線を照射し、瞬時にインクを硬化・定着させるため、アクリルやプラスチックなど様々な素材へ印刷できます。従来のエンボス式では難しかった点字の両面印刷も、素材にダメージを与える事が無く印刷することができます。

インクジェット印刷による点字印刷

インクを何層にも盛り上げ、最後に専用インクを垂らして点字をコーティングした後、UV照射をして固めます。版を作る必要がない為、1枚からでも作成することが可能です。点字の活用場面として、名刺、教科書、カタログ、資料、レストランのメニュー等、様々な場所で点字は必要です。透明シールで既存のものに表示することも可能です。

2016年に施行された、「障碍者差別解消法」により、現在多くの自治体や企業等で福祉に対する取り組みが積極的に進められています。近年、バリアフリーやユニバーサルデザインの一環として、点字を施している製品を身の周りでよく見かけます。視覚障碍者によりよい生活を支援する大切な社会とのコミュニケーションツールとなっています。

皆さんも、どの場所でどの様に「点字」が使用されているかを探すのもいいかもしれませんね。

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