第34話 どう見せる?紙の表面加工

こんにちは!「印刷物のちょっと深~い話」第34話を担当させていただきます、新人営業マンのYです。いつまで新人?という意見は聞かなかったことにして新人として今日も突っ走っていきますので最後までお付き合いいただければ大変うれしく思います。

今回は印刷する紙の表面加工について少し話していこうと思います。

紙への表面加工とは?/どんな時に表面加工は必要か?

表面加工とは紙の表面にニスを塗る、フィルムを貼る等、表面に何らかの形で加工を施すことです。紙への表面加工は必ずしも必要なもの・加工を施した方がより良いものになるという訳ではなく使用用途や印刷の仕様など必要に応じて行います。ではどのような場合に表面加工を施すのか、大きく分けて2つに分けられます。

ひとつ目が印刷面の保護です。印刷物は印刷面が傷ついてしまうことがあります。例えば、印刷面が擦れて傷ついたり色落ちしたりなど要因は様々ですが、そういった印刷物を守る役割がひとつ。また、印刷物に擦れて他のものに色が付いてしまうことを防ぐ役割もあります。パッケージ印刷などによく用いられます。

ふたつ目は付加価値の向上です。表面加工によって紙に光沢を出したり、耐水性を持たせたりなど見た目を良くしたり、機能性を持たせたりなど表面加工によって様々な付加価値を向上させる役割も担っています。

表面加工の種類と効果

「ニス加工」

印刷物の表面にニスを塗布することで、印刷物の表面を保護する目的でよく使われます。こちらのニス加工は印刷工程で同時に行うため、納期やコストにおいては早く安価に抑えることが可能なのが利点です。
※ニス加工については印刷物のちょっと深~い話の17話で私の先輩営業マンがとても分かり易く書いているので要チェックです。

「ラミネート加工」

ラミネート加工を簡単にまとめると紙にフィルムを貼ることで表面加工をする方法です。その中でもフィルム種類は複数あり、ラミネート加工の中でも加工方法が分類されます。

代表的なフィルムのひとつPP加工

ポリプロピレン(PP)フィルムに接着剤を塗布し、印刷された紙とフィルムを貼り合わせる加工で、PPフィルムは印刷物の耐久性や耐熱性、防湿性を向上させる性質があり、様々な分野で活用されています。例えば、書籍のカバーや雑誌、飲食店のメニューなどに使われております。また、テイクアウト容器の内側に施して、直接食品を入れる用途などで使用します。

さらにその中でもマットPP・グロスPP・ホログラムPPと用途によって適したフィルムを提案させていただいているのですが、1個ずつ説明していくときりがないのでこの辺にして、詳しくはご相談いただければ幸いです(^^;)

「プレスコート」

プレスコートは光沢と平滑性を施すことができる表面加工です。加工方法は熱硬化性樹脂を印刷面に塗り、熱と圧を加えて圧着します。プレスコートのメリットとしてフィルム貼りよりも低コストで光沢を出すことが可能です。

「エンボス加工」

エンボス加工は、紙を浮き上がらせる加工方法です。
印刷物に立体感を出したい時に使用します。名刺やポストカードなどによく施されることが多く、デザイン性を出したいときに有効な表面加工です。エンボスには二種類の加工方法があり、紙の両面から凹凸のある版で挟みこみ、紙を浮き上がらせる方法と、特殊なインキを厚く載せることで盛り上げる方法もあります。

「デボス加工」

エンボス加工を紹介したので…。その逆のデボス加工も存在します。デボス加工は紙をへこませる加工方法で片側から版を押し当て、紙の表面に圧力をかけることで、紙をへこませるという方法です。素材によってデボス加工への向き、不向きがあるため、注意が必要です。紙への圧力が掛かるので紙は厚いものが向いていて、薄いと不向きとなります。

「箔押し」

紙の上に接着剤のついた「箔」を重ね、箔に対して版を加熱しながらプレスすることで金属光沢を表現することができる加工方法です。
※こちらも印刷物のちょっと深~い話の23話でまたしても偉大なる先輩営業マンが書いているので是非とも読んでいただきたいです。(ネタ被りとか言わないで…。)

こちらで紹介した表面加工以外にも特殊なものを含め様々ありますが、どの加工も印刷面の保護や付加価値の向上が大きな目的ですが、その中でも機能性・デザイン性・コスト面などお客様のニーズに合わせて、無数の加工方法や素材の中から適したものを提案し、課題解決の手助けができればと考えています。その為にも日々の勉強は欠かせませんね(‘―’)>ビシッ

今回の深い~話はこの辺りで失礼しようかと思います。最後までお付き合いありがとうございます!次回の深い~話もお楽しみに!

最近のブログ

  1. 第57話 趣のある製本・和綴じ製本

  2. 第127回 カフェイン断ちのススメ

  3. 第126回 「センスがないので引退式」 

アーカイブ
TOP