第25話 印刷用紙の厚さと斤量

営業部のOです。前回は、「印刷用紙の規格とその由来」について紹介させていただきました。
今回は「印刷用紙の厚さと斤量」について紹介していきます。
「斤量」ってあまり聞きなれない言葉ですよね。これは、はかりで量った重さを表します。印刷用紙はいくつかの規格サイズがあり、紙ごとの塗料によって厚みも変わりますので、重さを基準とすることで、一つの数値で紙の厚みと規格サイズを表現することが出来ます。

印刷用紙には材質、規格によっていろいろな種類があります。紙の仕上がり寸法については、前回ご紹介させていただきました、日本産業規格(JIS)でA列、B列が規定されています。
お客様のご依頼で指定の紙を使用したいとのご相談を受けることがあります。
チラシにコート調の<46.5>を使用したい、パンフレットにマット調の<90>を使用したい、パッケージに板紙の8号・400g/㎡・35㎏を使用したいと、いろいろな呼び方をされるお客様もおられます。

印刷に欠かせない物といえば、もちろん印刷機等もそうですが紙やインキは必要な資材です。お客様との商談に於いて企画から一緒に進めていくこともあれば、お客様の御依頼をそのままお受けすることもあります。
特に、素材についてはお互いに吟味しながら検討いただき選定していきます。
今回はお菓子のパッケージ等に使用される紙素材の板紙を例に紙の厚さ・斤量をご紹介していきたいと思います。

お菓子の箱やティッシュペーパーの箱などによく使用される素材がコートボールです。
コートボールとは、表層に晒化学パルプを使い、中層と裏層が脱墨パルプ、各種古紙で構成されている板紙です。その表面に印刷適性を良くするために塗工を施したものがコートボールと呼びます。塗工することで、表面に平滑性をもたせ、発色を良くさせて印刷再現性を高めます。
もちろん折り曲げや伸縮に強く、箱に成形する製函にも適しています。ちなみに、塗工されていない場合は、ノーコートボールと呼びます。A白ボールと呼ぶことの方が多いかもしれません。

先程、パッケージに板紙の8号・400g/㎡・35㎏を使用したいと、いろいろな呼び方をされるお客様がおられますとお伝えしました。8号、400g/㎡そして35㎏と呼び方は違いますが、板紙自体は同じものを指しています。

では、号、g/㎡、㎏の違いについてご説明いたします。

「号」とは

板紙を表す単位としてたまに使われます。50g/㎡ごとに1号づつ加算されていきます。

例)400g/㎡÷50g/㎡=8号 400g/㎡=8号
450g/㎡÷50g/㎡=9号 450g/㎡=9号

「g/㎡」とは

板紙1枚あたりの重量のことをいいます。

例)400g/㎡×0.88(使用板紙の面積)≒352g(1枚の重さ)←L判使用の場合

「㎏」とは

板紙は100枚で1連と数えます。連量とは1連あたりの重量のことをいいます。(板紙以外の一般紙は1000枚で1連)

例)400g/㎡×0.88(L判の面積)×100(板紙の1連)≒35㎏(35200g)
400g/㎡×0.618(K判の面積)×100(板紙の1連)≒24.5㎏(24700g)

一つの商品でも人によって呼び方が違います。私達も熟知していても確認事項を怠るとミスの原因にもなります。絶えずお客様とコミュニケーションを取りながら商談を進めさせていただき、最適な提案と満足いただける良いものを作っていきたいと考えております。

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