第24話 用途に合わせた伝票の加工方法

こんにちは!営業部新人のYです。
「営業マンが語る!印刷物のちょっと深い~話」第24回を始めていこうと思いますが、今回のブログの内容は、前回私が第19回でお話しさせていただいた「伝票印刷と意外と知らないその仕組みとは」の続編となっております。

前回は伝票印刷の中でも複写伝票に焦点を当て、感圧紙の仕組みなどについて書かせてもらったのですが、今回は伝票を作成するにあたっての加工や印刷などについてお話しさせていただきます。最後まで読んでいただければ大変うれしく思います。

伝票作成の流れ

伝票作成のざっくりとした流れとしては、紙に伝票の内容を印刷し、印刷したものを製本・加工を施し伝票が完成します。作成する商品の使用用途によって紙の種類や加工方法が異なるのでお客様が求めている仕様に合わせて使用する紙、加工方法を決定していきます。

例えば、ある会社AがB社へ商品を納品する際に使用する手書きの納品伝票を作成したいと依頼を受け、条件としていつ何を納品したかを記録しつつ、相手のB社に納品伝票を納品時に渡したいという内容で依頼された場合。
→手書きの情報が複写できるように紙は感圧紙を使用し、横とじにして複写部分はお客さんのB社へ渡せるように2枚目のみミシン加工を施す。といったように使用用途に合わせて紙を選び、加工を施し商品として完成していきます。

伝票において重要な加工の工程について、代表的なものを紹介していこうと思います。

加工の種類

①伝票の製本加工

複写伝票は転写する際に位置がずれてしまうと正確に記録を残すことができなくなってしまうので、それぞれの紙がずれないように固定する必要があります。そのために製本加工を施します。

  • 天とじ、横とじ
    針金で綴じられ、クロスと呼ばれる製本テープを巻いて仕上げる製本方法。針金で固定されているのでそのままでは切り離せない。ミシン加工でミシン線を入れて必要なページだけを切り離せるようになっています。先ほどの例で挙げたように2枚目はお客様に渡すためにミシン目を入れ、1枚目は控えとして保管することが可能です。上部でとじることを天とじ、横でとじることを横とじといいます。
    (使用用途)領収書、納品書、振替伝票など
  • 天のり、横のり
    伝票の上側(天のり)または、左側にのり(横のり)をしてマーブル(製本テープ)で巻いて仕上げる製本方法です。のりだけで固定しているため一枚一枚はがして使用することができます。メモ帳のように手ではがして使用することが可能です。
    (使用用途)メモ帳、付箋、注文伝票、会計伝票
  • セットのり
    複写ごとに組になるようにのり付けしたもの。天とじや横のりなどのような冊子の状態ではなく1セットごとバラバラになっています。申込書のように、1セットずつ使用する時はセットのり製本を施します。
    (使用用途)申込書、契約書、アンケート、点検表

②伝票の様々な加工

製本加工以外にお客様のニーズに合わせるために様々な加工があります。

  • ミシン加工
    切り離せるようにミシン目を入れる加工です。一般に、2枚目以降にミシン加工をして、1枚目を残しておくために使われます。とじ製本とセットで用いられることが多いです。
  • 穴あけ加工
    ファイリングなど伝票の保管に役立てるために穴をあける加工で、1穴、2穴等の穴あけ加工を施します。8cm間隔の2穴加工が一般的です。
  • ナンバリング
    伝票に通しナンバーを印刷することです。伝票を数字で管理可能となります。
  • コーナーカット
    用紙の一部を斜めに切落とした部分を指します。用紙の天地・裏表の向きが判別できるように、用紙を一方向に揃える目的で使用されます。OCR印刷物でよく使われています
    ※OCR:字、手書きテキストの画像をデジタルデータの文字コードの列に変換するソフトウェア(これらが使用されている伝票など)

このように事務作業などでよく使用する伝票は、その使用用途や使用後の保管までを考えて印刷・加工が施されています。

伝票だけに限らず、印刷物は様々な素材や仕様、加工方法を組み合わせて商品が作られているのだと感じたのと同時に、実際に使用するお客様の課題を解決すべく最適な組み合わせを提案できるように日々の勉強は欠かせない、もっと勉強せねば!と深く考えさせられたところで(だいぶ強引に締めましたが…)今回はこの辺で締めさせていただきます。
次回の「営業マンが語る!印刷物のちょっと深い~話」もお楽しみに!!

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