第22話 できることからコツコツと…バイオマスインキ

こんにちは!第22話を担当いたします、営業部新人のUです。ステイホームがライフスタイルの一部となったことに伴い、自宅で食事を摂る機会がグッと増えた私です。
スーパーの陳列棚を眺めていてと思うのは「環境に配慮した食品が増えたなぁ」ということ。おそらく私がそう感じる以前からそういった動きはあったはずです。しかし私の生活が変わったことで視点も変わり、アンテナの張り方も変わったのでしょう。それによって私の目にもようやく見るべきものが見えてきたということでしょうか。

そんな折、ある日の私はゼリー飲料を物色しておりました。手に取ってパッケージに印刷されている成分や賞味期限を確認しておりますと、底面に何やら「バイオマス」なる文字とマークが…

バイオマスインキ

バイオマスって最近のレジ袋に使われている環境に配慮した素材、だったはず。環境に配慮した商品なら積極的に使っていきたい!と、詳しいことはよくわかっていないままに購入してしまいました。環境問題に関心がある割に知識がついていっていない私…

さて、前置きが長くなりましたが、今回の深い~話は印刷の中でも「環境に配慮した」お話をさせていただきたいと思います。よろしくお願いします!

最近は特に環境に配慮した活動や商品が求められる時代になりました。マイクロプラスチックや地球温暖化等、少し意識すれば耳にしない日はないくらいです。印刷業界も例外ではなく、使用する素材や印刷方法などが環境に配慮したものに日々更新されています。

今回はその中でも印刷に使うインキ、「バイオマスインキ」についてお話しいたします。

バイオマスインキとカーボンニュートラルのお話

バイオマスインキは樹木や種子、米ぬか等の植物由来成分や生物由来成分などの再生可能な有機性資源を一部使用したインキです。
一般のインキに用いられる原料は石油由来のものもありますが、枯渇資源である石油の使用には限りがあります。その一部をバイオマス原料に置き換えることで、石油資源の使用量を減らすことができます。限られた資源は特に大事に使っていきたいですよね。

また、植物はその成長過程で温室効果ガスであるCO₂を吸収します。光合成ですね。バイオマスインキを使用したパッケージも他のパッケージや印刷物と同様、その役目を終えると廃棄され、焼却されます。焼却されると当然CO₂が大気中に排出されます。
これを自然界全体の動きとして捉えると、バイオマスインキのバイオマス原料が植物だった頃に吸収したCO₂が排出されていると考えることができます。

また、森林などは今もCO₂を含む温室効果ガスを吸収し続けており、地球上に存在する温室効果ガスは総排出量から森林などが吸収した量を差し引いた量である、とも考えられます。この量を実質的にゼロにするという考え方がカーボンニュートラルであり、日本は2050年までに実現を目指しています。

※カーボンニュートラルについては環境省の「脱炭素ポータル」内にある「カーボンニュートラルとは」に詳しいです。こちらによりますと、日本は年間12億トンを超える温室効果ガスを排出しているそうです。

…ちょっと桁が大きすぎてイメージが湧きづらいですが、私たちが生きる地球環境を守るために、少しずつでも進めていかなければいけませんね。

似ているようで違う-ベジタブルインキ

環境保護に関して高い意識をお持ちの方の中には「エコなインキといえばベジタブルインキでは」と思われた方がいらっしゃるかもしれません…そんなあなた、実は印刷に於ける深い~話をお持ちなのでは?

ベジタブルインキは植物油を原料にした、または含有したインキです。植物油とは再生産可能な大豆油、亜麻仁油、桐油、ヤシ油、パーム油等植物由来の油、及びそれらを主体とした廃食用油等をリサイクルした再生油のことです。
バイオマスインキも再生可能な資源を一部使用している点で同じです。

違うのはその案件に最適な印刷方法=使う印刷機によってどちらを使うのかが変わってくるというところです。印刷方法や使用する素材は、印刷する対象やロット、何よりお客様がどんな希望をお持ちかによって変わってきます。

容器を紙に変えることで、素材からエコ活動をしていきたいのか。

包装を簡易にしていくことで、発生するゴミの量を減らしていきたいのか。

インキを環境に配慮したものに変えることで、環境に与える負荷を軽くしていきたいのか。

そしてそれを、どんな形でお客様に届けたいのか…

ですので、「印刷からエコ活動ができないものかと考えているんだけど…」といった思いをお持ちの方は、まずはそのまま、どんなエコ活動としての印刷をお考えかをざっくりとご相談いただければと思います。

バイオマスインキをおすすめする理由

一言で言ってしまえば「取り組みやすいから」です。
私が購入したゼリー飲料も、容器そのものはプラスチックです。「脱プラスチック」は世界的に共通目標ですが、たとえば今日、たった今から全ての商品でプラスチックを使わないようにすることはできません。品質保証面や価格面で従来品からバイオマス製品に切り替えることは簡単ではないからです。
容器に使われているフィルムを同じ品質、同じ値段でバイオマス素材に変更することは大変難しく、それが一般に普及するにはもうしばらくかかるかと思われます。

その点、バイオマスインキはあくまでインキなので、容器そのものの機能に影響を与えないままCO₂の排出量を削減することができます。

それでは、具体的にどの程度CO₂の排出量を削減できるのか?
一般的な溶剤系のグラビアインキと比較して15%程度削減できます。

ここまでお読みになった方の中には「なんだ、たった15%か」と思われた方も、あるいはいらっしゃるかもしれません。ですが、今使われている溶剤系のインキの全てがバイオマスインキに切り替わったらどうでしょうか。

地球全体で使われている溶剤系のインキと比較して15%の削減ができます。それは果たして「たった15%」でしょうか。この先にもっと環境に優しい、もしかすると「環境へのダメージがゼロ」みたいなインキが開発されるかもしれません。そのときに地球環境が回復不可能な状態にならないよう、できるところから少しずつ行動していきたいところですよね。

いかがだったでしょうか。

私自身の環境問題に対する関心が暴走してかなり熱く語ってしまいました。読んでいただいている皆様が「私はいったい、何会社の人間が書いている記事を読んでいるんだ」と困惑されておられなければいいのですが。

さて、件の冷たいゼリー飲料を飲んで頭を冷やしつつ、私はこのあたりで失礼しようと思います。次回の深い~話にご期待ください!

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