第4回 フォントの仕組み

「フォント」とは文字をコンピュータを使って表示したり印刷したりする際の、文字の形です。書体とも呼ばれます。現在フォントには様々な種類があります。

代表的なもので、

  • ビットマップフォント
  • TrueTypeフォント
  • PostScriptフォント
  • OpenTypeフォント

の4つがありますが今回は印刷時にトラブルの原因となる文字化けについてお話ししたいと思います。

コンピュータは基本的に「0」と「1」のデジタルデータを扱い、文字も「0」と「1」の羅列で表されます。例えば、「A」という文字は「00000001」で「B」は「00000002」等のような感じです。英字は大文字、小文字合わせて52文字、それに数字を10文字で62文字ですので、8ビット=1バイト=2の8乗=256通りで表すことができます。 これが1バイト文字、つまり半角文字になります。しかし、日本語のように多くの文字を扱う場合、1バイト文字では全然足りません。そこで誕生したのが2バイト文字です。これは2の16乗=65536通りの文字を区別する事ができます。

ここからが本題です。この数字の羅列で管理されているフォントは、フォントを作るメーカーによって、対応する文字の形と数字の羅列(文字コードと言います)の対応が違います。 携帯電話の絵文字が他社の携帯電話に送ると、違う文字になるのと同じ原理です。そしてDTPの世界では、文字の形だけでなく、文字詰め情報等も含まれていますので、作ったデータと同じフォントを持っていないと、文字組みが崩れたり、 文字化けして違う文字になったりします。

WindowsとMacのデータのやり取りや、同じソフトのバージョンが違う事でもそういう問題が多いです。そのため入稿データは文字のアウトラインを取って下さいと言われるのはそういう理由があるからです。文字のアウトラインはその名の通り、文字の周りに線を引いて、画像のようにしてしまうのです。そうすることで、文字は数字の羅列ではなく、線で形づくられますので、文字化けを防ぐことができるのです。

また、近年ではOpenTypeフォントといった、WindowsとMac両方に対応するフォントも出てきていますので、 少しずつフォント問題は解決していくと思います。

最後に、入稿データの使用フォントにはご注意下さい。

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