第3回 色の作り方

「色」というもの。これは印刷屋にとって非常に奥深いものであり、かつ厄介なものであると思います。「色」のしくみは話せば長くなりますが、簡単に言うと、モニタであれば、光の発光ですし、 紙であれば光の反射から生まれるものです。そして近年モニタ上で印刷デザインが作られる事が多くなると、このモニタの「色」と、紙への印刷の「色」というものが、新たな問題を生み出す事になったわけです。

ご存じの方も多いと思われますが、モニタはR(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)の三色の光を発光して、「色」を表現しますが、印刷物はC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)の4色で表現します。この違いをカラーマネジメントによりできるだけ同じ色にしていくのですが、まだまだ発展途上のようです。何より作る人が使うモニタがバラバラですので、見るモニタによって色が違うのは当然です。しかし、モニタの色がどうであれ、印刷物の色は非常にこだわる方も多いのも事実です。

印刷の「色」を調節するには、CMYKの4色を使ったプロセスカラーの場合は、前回お話した、版というもので決まってくるそうです。 4色の場合、版はC版、M版、Y版、K版の4版をそれぞれのインキのロールに巻き付けて印刷します。 インキ自体はシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色を使いますので、多少の色濃度は変える事ができますが、 シアンのインキをどれだけ紙にのせるか、マゼンタのインキをどれだけ薄く紙にのせるか等は、全て版の通りに出ます。コンピュータからダイレクトに版を作る現在主流のCTPの場合はコンピュータ側で色を調整します。

しかし、単色や2色等の特色の場合は、インキを独自に作るので、その作られたインキの色で決まります。この場合、インキを作る職人の腕にかかってきますので、一番色の差が出やすい部分です。

4色プロセスカラーと特色の場合の色の作り方が違うというのは、今まで知らなかったですし、何より意識もしていませんでした。印刷屋にとっては常識の事なのですが、一般的には全く意識しないのが普通だと思いますので、お客様に何でも応えられるよう、どんどん知識を貯めていかなければならないと思いました。

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