第20回 製本加工

さて、今回は後加工の中でも皆さんに非常になじみ深い、本を作る際の製本の種類について書きたいと思います。

冊子になる印刷物は何頁かを同じ紙に印刷します。そして、製本前にまず折りをします。 基本的には十字折りを頁数によって何回か折り、仕上げサイズにします。

例えば、A4サイズ8頁の冊子であれば、A4の4倍サイズの紙に両面印刷をし、 十字4つ折りをすれば、丁度A4の8頁になります。それを背部分以外の三方を断裁することで、 簡単な本となります。通常はそれを背部分でしっかり綴じを行い、外れないようにしてから断裁します。 この折った時に正確な頁順になるようにするのは、印刷前の製版段階で面付けという作業で行います。 これは製本の綴じ方によって面付けも変わりますので注意が必要です。

製本の種類には大きく分けて、上製本と並製本があります。

雑誌や簡易な冊子は、一般に表紙の用紙が薄く、表紙と本文のサイズは同一であり、 このような製本方式を並製本といいます。並製本は製本後に仕上げ断ちをします。 綴じ方には週刊誌のような針金中綴じや平綴じ、 あるいは接着剤を使って表紙をくるむ無線綴じ、アジロ綴じがあります。

上製本では、表紙は本文よりもひと回り大きく、三方断ちの背固めの後で表紙をつけます。 表紙を頁数には入れません。上製本によく用いられるのは糸綴じです。

上製本、並製本とも用途によって綴じ方は様々あります。綴じ方によって中身の見え方や、ページデザインが変わってきます。

  • 中綴じ製本
    中央を2つ折りにして、中に入れ込んでいき、折り目にホッチキス留めする綴じ方です。 週刊誌等によく使われています。中の頁の大きさが小さくなるので、大量頁の冊子には向きません。
  • 無線綴じ製本
    背の部分を切り落として接着剤をつけて、背同士を固める綴じ方です。 漫画本等頁数の多い本によく使われています。背を切り落とさずに切れ目を入れて糊が染み込みやすくすることで、 見開きの奥が見やすくなるアジロ綴じもこの一種です。
  • 糸綴じ製本
    主に糸かがり綴じがありますが、背を糸で縫い合わせることで、頑丈にしています。見開きも奥まで見え、強度も強いので、上製本によく使われています。

上にあげたものは、主な製本の種類ですが、この他にもアルバムや記念誌など、用途によって非常に多くの種類があり、それぞれに向き不向きがあります。大抵製本は最終工程になりますので、そこでのトラブルは全てやり直しになりかねないので、しっかりと製本仕様を頭にいれて対応していきたいと思います。

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