第10回 校正作業

校正という言葉はご存じでしょうか。印刷物を発注した方ならご存じの方も多いと思いますが、なんと私はこの会社に入るまで、その言葉を知りませんでした。恥ずかしい話ですが、入社3ヵ月位はお客様から聞いた言葉をそのまま社内の人に聞いている感じでした。

校正というのは、印刷物等の字句や内容、体裁、色彩の誤りや不具合を、あらかじめ修正することです。文字や数字ばかりでなく、デザインや発色の確認も行い、特に発色の確認を行う校正を色校正(色校)といいます。

1回目の校正のことを、「初校」。2回目の校正のことを、「再校」。3回目からは「三校」、「四校」、「五校」と続きます。書籍など、印刷物によっては七校ぐらいにまで及ぶものもあります。そして、完成した時の事を、「校了」といいます。「校了」の中でも、最後にお客様に見せずに、印刷会社の方で校了させることを、「責了(責任校了)」といいます。最後のちょっとした修正等の時は、この「責了」になることも多いです。前回も書きましたが、最近はPDFデータをメール等で送って校正する形も増えています。

印刷行程の、刷版作業に入ると、訂正にはかなりの費用がかかってしまいますので、出来るだけこの校正作業の時に、チェックしなければなりません。

しかし、チラシやポスター等の文字の少ないものはいいのですが、書籍等の文字数の多いものの校正作業は非常に時間がかかります。文字ばかりが並んでいるのですから、間違いを探すのも一苦労ですし、何より校正する文字数が圧倒的に多く、時間が非常に長くなってしまいます。

データを制作している時や、校正作業の時に、原稿の間違いに気づく時があるのですが、それをお客様に伝えて、直す時もありますが、それをそのまま気づかずに見逃してしまう時もあり、その時は非常に悔しく思います。時間をかければかけるほど校正は完璧になると思いますが、中々そればかりもできない時があります。この校正作業が完璧にできる機械はないものかと常々思います。

校正について私が思うのは、出来るだけ内校(内部校正)をきっちり行い、最終的にお客様が喜ぶものを作ることが、提案型企業の一つの形であるかなと思いますので、これからもしっかり校正していきたいと思います。

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