こんにちは!営業部のKです。「営業マンが語る!印刷物のちょっと深い~話」第28回を始めます。28回目となる当コーナーですが、今回はお菓子の包装に使われる袋についてお話したいと思います。
ちょっと前書き
当ブログ第9話のグラビア印刷の話で紙やファイルムなどの原紙をグラビア印刷と呼ばれる方法で印刷し、合掌袋やガゼット袋等の袋に加工するという話をさせていただきました。(その回を担当した営業は自分ではないのですが…)
そこで今回はその袋になる前の原紙に注目して語っていきたいと思います。
今回タイトルにお菓子と入れていますが、お菓子と入れたのは弊社が特に和菓子関係の包装資材に強みを持っていて作成の実績が豊富な為です。お菓子以外の袋にも共通している部分が多いのでぜひ最後まで読んでいただきたいと思います。
お菓子の包装に使われる袋はどんなもの?
お菓子の包装に使われる袋にはフィルムに印刷されているタイプのものや袋の表面に紙が貼っておりその紙の上に印刷を行うタイプのもの、また用途に応じて脱酸素剤の使用に対応した袋や耐寒性・耐熱性を持たせたものなど様々な特徴を持っています。
そして中身に入れるお菓子の種類や用途に応じて袋に使用される原紙は決められます。
袋の基本はOPPとCPP
お菓子の包装のフィルムの基本はOPP(二軸伸延ポリプロピレン)やCPP(無伸延ポリプロピピレン)が使われることが多いです。
OPP
- CPPよりも透明度が高い
- 防湿性が高い反面、低温環境では強度が下がる
- 引き裂きへの抵抗が少なく、ノッチ(切り込み)から袋を破りやすい
CPP
- 透明感はOPPよりも低く触った感触は柔らかい
- 耐熱性やボイル耐性が有る
- OPPに比べて裂け辛く引っ張っても破れにくい
簡単にそれぞれの特徴をまとめてみましたが、この2種類のフィルムだけでもそれぞれ特徴があります。また、見た目も透明感の差が少し有るものの一見しただけはどちらか分からない事が多く、同じ透明な袋でも用途に応じて使い分ける事になります。
実は2枚以上が貼り合わされている?意外と単純ではないフィルムの構成
先程も少し触れていましたが、袋の中に脱酸素剤(袋の中を無酸素状態にするためのもの。良くお菓子の袋を開けたときに食べられませんと書いた小さな袋が出てきますがそれの事です)を入れる時には、KOPやAOPと呼ばれるガスバリア性の高いフィルムを貼り合わせたフィルム原紙の構成になります。
その際にはKOP/DL/CPPこのような表記になり、KOPとCPPを貼り合わせた2枚の構成で有ることが示されます。KOPとCPPの間のDLとはドライラミネートの事で、フィルム同士を接着させる方法の一種です。
このように用途に応じてフィルムが2層以上になる事も有るのですが、これも見た目には分からないので普段食べているお菓子の袋が実は3層以上のフィルム構成だったという事も有るのです。
見た目も重要!フィルムに使われる素材
お菓子の包装なので性能だけでなく袋の見た目も重要になってきます。そこで見た目に関わる部分ではどんな種類のフィルムが有るかを紹介します。
和紙
これはフィルムでは無いのですが、和菓子の包装には特に和紙を貼り合わせたものが多いです。レーヨン紙や奉書紙等を先程紹介したフィルムの上に貼り合わせて原紙を作成します。貼り合わせる紙の厚さによって中身が少し見えるようにすると言った事も出来ます。
マットフィルム
艶消しのフィルムを使用することで高級感を出すことが出来ます。洋菓子に使われる事が多いです。
アルミ蒸着フィルム
アルミの質感を生かした包装が出来ます。スナック菓子やおかきやおせんべいの詰め合わせ等で良く使われています。
終わりに
最後まで読んでいただきありがとうございます。今回はお菓子の袋の使用されるフィルム原紙の紹介を紹介しました。一見すると何の変哲もない透明のフィルムに見えますが、実は中身のお菓子や使い方によっては種類が色々とあり、場合によっては2種類以上のフィルムを貼り合わせて原紙が作られる事も有ります。
今後も印刷以外にも印刷に使用される素材の話なども出来ればなと思います。
それでは今回はこのあたりで締めさせていただこうと思います。次回もお楽しみに!