製紙メーカー

とうとう先日感圧紙(複写紙)の品薄により、ご注文いただいた商品に影響が出ました。震災後から大手製紙メーカーの製造工場が大打撃を受けて、紙が作れない状況が続いていたので、流通していた在庫紙も途切れてしまったようです。また、一般的によく使用されるマットコート紙なども、いつもと違うメーカーの紙を使用するなどで対応しています。

さて、この製紙メーカーという名前。一般的にはあまり聞きなれない言葉かもしれません。私達印刷業者は、紙屋から紙を購入しており、大体は決まったメーカーの紙を使用しているのですが、メーカー違いでほぼ同じ紙というのは非常にたくさんあります。

また、メーカーによって紙の名前はもちろん違いますし、白色度、コシの強さ、塗工量なども少しずつ違っています。また、紙の厚みを表す言葉として、連量(55kg、90kgなど)を使用しているのですが、同じ連量であっても、0.01~0.1mmぐらい厚みが違っていたりします。メーカー在庫等がない場合、厚みや印刷光沢があまり変わらないメーカーの紙を選んで使用します。一般的に流通している紙を見て、これはどこのメーカーの紙だと判別するのは容易ではありません。それほど似通った紙を様々なメーカーが作っています。
ただ、一般的によく使用される紙はまだ対応出来なくはないですが、特殊な紙に関しては、ほとんどがメーカーオリジナルなため、別の紙での対応はほとんど出来ません。お客様が選ばれた紙の在庫があるかどうかは運だのみです(~_~;)

数年前に大手製紙メーカーの再生紙偽装問題があったのはご存知でしょうか。再生紙100%と表記していても、実際はほとんど再生紙は入っていなかったという問題です。あれ以来、古紙配合率に対する考え方も変わってきて、再生紙が環境に良いという鉄則も崩れてきています。未だ再生紙問題は結論が出ていません。印刷業者にとって紙という原材料は切っても切れないものです。メーカーに依存せざるを得ない紙屋とも良好な関係を築き、総合的に環境にやさしく、世の中に貢献できればいいなと思います。

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