第33話 印刷における「代わり(代替品)」の話

こんにちは!営業部のKです。「営業マンが語る!印刷物のちょっと深い~話」第33回を始めます。
33回目となる当コーナーですが、今回はいつもと少し志向を変えて印刷における「代わり」の話をしていきたいと思います。

「印刷における代わり」とは?

印刷物に携わっていると本来使いたかった紙や素材が何らかの理由によって使えなく事が稀に起こります。
紙の場合は以前まで使っていた紙が廃盤になったり、製紙メーカーの在庫が欠品中で次回作成まで数ヶ月待ちになったり(一般的に良く使われる紙が欠品になる事は基本的に有りませんが、特殊紙など需要が少ない紙の場合はタイミングが悪いと起こる事があります)といくつかの理由があります。

また、紙以外の素材に関しても最近は脱プラ化の動きや石油製品の高騰等によりポリ袋を紙袋に変えたり、価格を下げるために別の素材を検討したりする事等があります。
こういった様々な理由で本来使おうと思っていたものが使用出来なくなった時に「代わり」を探す必要が出てくるのです。

ケース① キャピタルラップ

ここからは実際にどのようなケースで代替品を探すことになったのか実例を交えていくつか紹介しようと思います。
キャピタルラップという片艶晒クラフトの銘柄が有るのですが、このキャピタルラップが2021年の秋頃にメーカーの製紙機械の故障により製造がストップして入手出来なくなりました(この記事を書いている2022年現在でも機械の修理は行われていないようです)

キャピタルラップの製造停止を受けてキャピタルラップを包装紙用の紙として使用していたお客様から代替品の提案の依頼が有りました。このケースでは別メーカーが作成している片艶晒クラフト紙(ブリザードや紀州ラップといったメーカー違いの商品が有ります)を提案して別のメーカーの商品を使用することになりました。

ケース② キャピタルラップ

もう一つキャピタルラップから実例を出したいと思います。
別のお客様ですがキャピタルラップを商品説明の栞として使用しているお客様の案件が有り、そちらの案件でも別の紙を提案することになりました。
その際はケース①で提案した別メーカーの同等品ではなく、純白ロールを紹介して実際に純白ロールを使用して印刷を行うことになりました。
この案件では紙質の変化よりも入手性(キャピタルラップの製造停止で他の片艶晒クラフトの需要が増えて納期が不安定な時期でした)や価格など総合しての判断で、よく似た別の商品である純白ロールを使う事になりました。

このように同じ紙の代替品を探す場合でも結果が変わることも有ります。

ケース③ バージ

バージという茶色の特殊紙を使用してアパレル用のタグを作る案件で、バージのメーカー在庫切れで2ヶ月程待たないといけなくなった事が有ります。
この時も納期が間に合わなくなるかもしれないという事で変わりとなる紙を提案したのですが、この件では別の紙を使用することにはなりませんでした。待てば在庫が作られるというのと、提案した代わりの紙の茶色の色目が少し違うので紙を変えたくないとの理由です。

代わりの紙を探す場合も元の紙と全く同じ物になることはなく、例えメーカー違いの同等品であっても紙の僅かな色の違いや触った感触など違った部分が出てきてしまいます。

終わりに

今回はいくつかの実例を出して「代わり」の話をしてみました。意図しない理由で代わりを探す事にならないのが一番良いのですが、不可抗力で代替品を探す事はどうしても起こってしまいます。
そういった際により的確な提案を行えるように知識を身に着けて、お客様に満足して貰えるように精進しないといけないと記事を書きながら改めて実感しています。

今回はここで終わりますが次回の記事もお楽しみにー!

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