こんにちは!深い~話第32話を担当いたします、新人営業マンのUです。
新人営業マンの、という肩書もいつまで名乗り続けていいものなのか判断が難しいところではありますが、誰かに待ったをかけられるまで続けていきたいと思います!
さて、今回お話しさせていただきますテーマは「予備紙」です。
印刷業界に馴染みのない方にとっては聞き慣れない言葉かと思いますが、実はこちら、かなり重要な存在なのです。それでは今回もどうぞよろしくお願いいたします!
対象物(わかりやすく紙だと仮定します)に印刷するとき、かなり大雑把に言えば紙にインクを付けることになりますよね。※様々な印刷方法については過去の深い~話をご参照ください!かなり深いです。
このとき、紙に付くインクの付き方にばらつきがあったとしたら、いかがでしょうか。最初に刷ったものと最後に刷ったもの、あるいはその間の仕上がりで、それぞれの濃淡が変わってしまっていたとしたら。
同じ商品なのに濃い印刷物と薄い印刷物があったとしたら、一定の品質を保つことが出来ているとは言えませんよね。予備紙はそれらを一定に揃える役割を担っています。
それぞれの予備紙~印刷工程~
印刷の工程で予備紙が必要になる代表的なケースは次の2点です。
・刷り出し損紙・・・版の見当合わせや、色濃度調整、色合せなどのための試し刷りのために使う。
・刷り損紙・・・印刷の途中に見当や色合わせを確認し、必要に応じて調整する際に使用。
お客様にお渡しする製品として印刷をする前に様々な調整や確認が必要なんですね。特に試し刷りについては「実際に印刷して確認する必要がある」という点が厄介です。繊細な作業になりますし、予備紙分のコストもかかります。ですが、省くことのできない重要な工程です。
では予備紙が無いとどうなってしまうのでしょう。
もしも予備紙がなかったら
予備紙が無いケースに「お客様の方で予め紙を準備されていて、弊社に持ち込んで印刷をご依頼いただく」というものがあります。
先述の通り、印刷業界に馴染みのない方からすれば「予備紙」なんて聞いたことがない方がほとんどです。身近な印刷といえば、コンビニやオフィスにあるプリンター、あるいは家庭用プリンターでの印刷ではないでしょうか。
思った通りに印刷できているかを確認するために1枚だけ印刷することはあると思います。ですが、そこで「これで大丈夫」と判断すれば同じ設定で必要な部数を指定して「スタート」しますよね。
必要としている部数=必要な紙の枚数というイメージです。10枚必要なのにわざわざ15枚の紙は用意しませんよね。
…ここで思い出していただきたいことが「予備紙」です。
弊社にお持ち込みいただいたときも同じように「必要としている部数=必要な枚数」というイメージで「必要としている部数分」しか紙をお持ちになっていないとします。
その場合どういったことになるかといいますと…
最悪の場合「必要としている部数」に達しない部数での仕上がりになってしまいます…!
※定数割れ、なんて言ったりします。できれば使いたくない言葉…
100枚のハガキが必要なのに95枚しか仕上がらない!
なんてことが起こってしまうのです…!つまり、この場合最低でも5枚は予備紙がないと100枚分は製品化できなかった、ということがわかります(後からわかっても困るのですが…)。
それぞれの予備紙~加工工程~
また、印刷後、抜きや折などの加工工程の際に生じる「ロス」のために必要となる予備紙もあります。
ここでいう「ロス」とは、木型で抜いたり折り加工を行ったりする過程で、僅かですが一定数生じてしまう「製品としてお客様にお渡し出来ない出来栄えのもの」です。
加工も印刷と同じく機械で行っている場合が多いですが、いくら機械といえども1回目からバッチリはまることばかりではないのです。特に紙は温度や湿度等の環境の変化に敏感なため、定期的に調整してあげる必要があるケースも少なくありません。
また、特に難しい作業かつ手作業ともなると、通常よりもロスが多くなります。
時間がかかる上にロスも多い手作業ですが、未だ手作業でしか行えない種類の加工があるのです。人間の手ってすごいですね…!
閑話休題。
「予備紙って試しや失敗ばかりに使うのか」と思われた方、もう少しばかりお時間をいただけますでしょうか。実はもう1種類あります。
見本・納本用紙・・・保存用見本や、納品見本として使用する分の用紙。
こちらは納品前に前以て仕上がりを確認していただく見本や、再度同じ商品をつくることになった場合に見本として使用するために保存しておく見本です。
他にも、たとえば商品をダンボールケースに梱包してお届けすることになった場合、お客様に確認してもらうために納品分以外に1点でも見本があればケースを開けずに仕上がりを確認できますよね。
予備紙の必要枚数ですが、こればっかりは本当にケースバイケースです。
ですので、お客様は紙の手配から始まる作業の一切を手放して、ぜひ弊社のような印刷会社にまるっとお任せください!
ここまで予備紙についてご説明させていただきました。予備、なんていう名前から「一応」とか「念のため」、いっそ「無いなら無いでいいのでは」くらいに思われかねない予備紙ですが、とっても重要な存在であること、納得していただけましたでしょうか。今回の深い~話はこの辺りで失礼しようかと思います。
次回の深い~話もお楽しみに!