第28回 紙の種類4(包装紙)

さて、様々な種類の紙を紹介してきましたが、今回は用途として、包装に特化した紙、包装紙について書きたいと思います。

包装紙は皆様も何気なく見る機会が非常に多い紙ですが、あまり意識されない紙でもあるかもしれません。多くの場合は、商品を包んだり、保護したり、持ちやすくしたりといった目的ですので、その中身の商品自体がメインであって、中々包んである包装紙を意識するという事はないかもしれません。けれども、実際に作るとなると興味も持って頂けるかもしれません。

実は包装紙は、一般紙や特殊紙でまかなう事はできなくはないですが、紙のコシ、強度、折りに強いなどの面で、包装用途向きの紙というものがあります。有名なものでいえば、茶色くざらざらした質感の未晒クラフト紙や、白くした晒クラフト紙、艶をかけた片艶クラフト紙や、箱に使われる板紙(ボール紙)、綺麗な発色の印刷ができるエスプリコートなどがあります。

一言で包装といっても、いろいろな形がありますが、よく包装紙が使われるもののなかには、商品の包み紙、掛紙、帯、紙箱、封筒、紙袋、手提げ袋などがありますが、流通量が多く、価格もそれほど高くないので、質感などをかって、一般印刷として特殊紙がわりに使用することも少なくないです。

用途によって様々な特徴に特化した紙があり、そこにさらに印刷適性や表現力、質感などを考えて、包装紙が作られます。何も考えずに特殊紙などで包装したりすると、危険な事もあります。折りに弱い紙を箱に使用すると、角がボロボロになったり、強度の弱い紙を、商品を包む事に使うと、すぐに破れてしまったりと、一般に包装用途に使用されている紙以外は注意しないといけないことがあり、しっかりと何を包むのかなどの用途を考えなければなりません。といってもやってみないと分からない紙もありますので、そこは相談しながらになるのかなと思います。

包装紙は目的としてはメインではないかもしれませんが、目につく訴求力のあるもので包装してある商品は、やっぱりとても豪華になり、中身の商品をよりよく見せるものであると思いますので、そのことを意識した包装紙、また包装デザインを考えていくことが、商品価値を意識した重要なことなのだと思います。

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