ある日家族で少し遠出をする車の中でのこと…
3列シートの2列目に座っていた娘に、3列目に座っている長男と次男がちょっかいをかけ、後ろから娘のつむじを押さえると「下痢になる、寿命が縮む」と言いながらキャッキャと騒いでいる子どもたち。
そのやりとりを運転席にいる私は、やっぱり今でも昔と変わらず同じこと言うんだなぁと、ノスタルジックな気持ちで微笑ましく聞いていました。
「夜に口笛を吹くとオバケが出る」
「夜に爪を切ると親の死に目に会えない」
「霊柩車を見ると親指を隠す」
「雷が鳴ったらおへそを隠さないとおへそを取られる」
「人の名前は赤字で書いてはいけない」
「しゃっくり100回でると死ぬ」
「黒猫をみると悪いことが起きる」
「火遊びするとおねしょをする」
「くしゃみが出ると誰か噂している」etc…
例をだすとキリがないくらいあるのですが、私が子どもの頃も同じように、両親や友達からそういった話を聞き、そして小さい頃は特にそんな言葉を聞かされるたびに、とても恐怖を感じていたように思う。
そんな言葉の数々も大きくなるにつれ現実的な知識も増えてくると「迷信でしょ!」とわかるようになってくるのですが、心の奥底では「大丈夫かな」と不安も抱えたりしていました。
こういった小さい頃に聞かされた言葉の数々は、科学的に根拠のあるものだったり、昔の文化・習慣・知恵から派生したものであったりと、「本当」のことも多くあるのですが、それとは別に特に子どもたちに対する戒めであったり、危険から遠ざけ守るために使われた言葉なんだろうと思う。
結局大人になっても霊柩車を見かけると親指隠したりする人いますから。
ハイ、私です。
「そんな訳ない、ウソ」と思ってはいても、結局大人になっても意識しちゃってるんですからある意味魔法の言葉ですよね。
実際私自身も子どもに対して、風邪で熱を出してしんどそうにしているわが子を看病しながら、「うつしたら元気になるよ」と言ったり、「急いでひな人形片付けないとお嫁にいけなくなるから」と普通に言ってましたから。
今の時代になっても子どもたちは子どもたちのコミュニティの中で、昔から言われてきた古くさい言い伝えが伝わってきていることに単純に嬉しさを感じます。
私自身、子ども時代に見聞きしたことや経験してきたこと、どんなことでも思い出せる限りもっともっと伝えていきたいなと思います。その中で私自身がそうであったように、子どもたちが必要な情報を取捨選択して成長していけばいいのです。
守り過ぎない、突き放し過ぎない、ほどほどの距離感で自分で考え行動していける子に育つために先人が生み出した言葉を、時には子どもたちにウザい顔されながら伝えていきましょう。